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-Minority Youth Japan-マイノリティー・ユース・ジャパン

We are all minorities.「私たちは、みんなマイノリティである」

NEWS

オピニオン② NPO法人ももたろう海外友好協会 理事長 枝松孝典氏 


「帰国支援事業に関するジュリアネ訴訟についての見解」

 2008年秋のリーマンショックは、当初、私たちが暮らしている岡山県総社市まで影響があるとは正直なところ実感は無かった。しかし、その出来事は世界中に拡まり、一日、一日とブラジル人学校「エスコーラ・モモタロウ・オカヤマ」の保護者から失職したとの相談が増え、年末には、ほとんどの保護者が失職し、ハローワークには相談に訪れたブラジル人を多く含む失職者で溢れていたことが思い出される。リーマンショックの影響は数年間に及ぶのではないか?との情報もあり、ブラジルへの帰国の相談を受けていたころに始まったのが、今回、問題になっている【日系人離職者に対する帰国支援事業】であった。
その事業の内容を知った当事者であるブラジル保護者の反応は、二つに分かれた。帰国支援事業に頼らず帰国を決意した家族。なぜなら、「三年間などという縛りを受けずに、再度、日本にきて暮らしたいから」と。一方では、悩みながらも「このまま仕事が見つからず、生活保護を受けてまで日本で生活するよりは・・・」と、帰国支援事業により帰国を決意した家族。どちらの家族が正しかったのか、正しくなかったかは、当時でも、今でも正解は無い。ただ、言えることは、それまで築いてきた日本での生活を諦め、不本意ながら帰国を決意したこと。そこに、扶養家族であった未成年者である家族の意見は反映されなかったことは、当時、そうした家族の人々と接してきた者として容易に想像がつく。今回の訴訟については、「原則として3年をめどに・・・」などとあいまいな表現をしたことで起こった問題であるが、当時、未成年者であり保護者の意見に従わざるを得なかったジュリアネさんのような人にも、制度だから再入国は認めないとなるのか、それとも柔軟な対応をしてくれるのか、裁判の行方を注目しているが、大切なことは私たち日本人が、アベノミクスといわれるものにより経済環境が上向きになってきつつある今こそ、2008年のリーマンショックまで、日本の製造業を支えてくれ、地域で共に暮らしていたブラジル人の若者にこのような問題が起こっていることを認識し、この問題を知った人々が、今後の日本、ブラジル両国の発展のために何が出来るのかを、それぞれが考えるキッカケになることなのではないだろうかと思う。
 


 
NPO法人ももたろう海外友好協会
2008年3月 岡山県知事よりNPO法人認可を受ける。同年4月地域の不就学、不登校の
ブラジル人児童の解消を図ることを目的に総社市駅前に中・四国地方以西では初のブラジル人
学校として「エスコーラ・モモタロウ・オカヤマ」を開校。地域に暮らす日系ブラジル人児童
のために日本語、ポルトガル語、公立学校の教科学習の補講、地域交流などを目的にボランテ
ィア団体として活動している。



詳細活動記録

・2008年3月 岡山県知事よりNPO法人認可を受ける。
・同年4月地域の不就学、不登校のブラジル人児童の解消を図ることを目的に総社市駅前に
中・四国地方以西では初のブラジル人学校として「エスコーラ・モモタロウ・オカヤマ」を
開校。
・同年10月 日本語講師有資格者のボランティアが中心になり、ブラジル人の大人向けに
日本語教室を開設。
  ・同年11月 【多文化共生フォーラム:2008】を開催
         (講師:ウラノ・エジソン氏(上智大学講師(当時))
・同年12月 総社市役所と協働で市役所庁舎内にブラジル人向け生活相談窓口を開設。
・2009年1月 不就学解消のため義務教育にあたる生徒について学費免除を開始。        
・同年2月 学校法人岡山瀬戸内学園倉敷高等学校と国際交流に関する協定を締結。
            (日系ブラジル人生徒の高校進学の選択肢を拡げる目的)
・同年11月 ブラジル国OSCIP(公益免税団体)「カンポ・グランデ文協(知花幸重
ベルナルド会長)」とパートナーシップ協定を締結。
・同年12月 文科省委託事業 総社市教育委員会「虹の架け橋教室」を協動で開室。        
・2010年6月 厚労省「緊急人材育成・就職支援基金」委託事業【日系ブラジル人等 対象
基礎実習コース】開室。受講生20名。11月末まで半年間開講。
・2011年3月 総社市教育委員会「虹の架け橋教室」閉室。
・同年4月 「エスコーラ・モモタロウ・オカヤマ」は土曜日学校として開講。
主に、平日に公立学校に通う日系ブラジル人児童のための日本語教室、ポルトガル語教室、
教科学習の補講、地域交流などを目的に活動。
  ・2013年3月 【多文化共生フォーラム:2013】を開催
          (講師:津村公博氏(浜松学院大学教授))
・その他:文化庁委託「生活者としての外国人」のための日本語教育事業による日本語教室
を2009年度~2012年度に運営。


  

2013.05.27